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女性と男性で改姓するパターンは同じです。
ただ、婚姻に限って言えば、現状日本では女性が改姓する割合が95%と言われています。
女性が改姓している割合が多いからといって、
「改姓するのは女性で、男性は改姓しないものだ」と思い込んでいると、
実際に改姓している人を見落とす可能性があります。
人が改姓することがあるパターンをまとめてみました。
7つのパターン
1.婚姻
今のところ日本では、女性と男性の婚姻しか存在しません。
婚姻前からふたりが同じ姓である場合を除き、
婚姻時に妻の氏を選べば男性が改姓し、夫の氏を選べば女性が改姓します。
男性が改姓しているからといって、「婿養子」とは限りません。
昭和22年に民法が改正され、家制度がなくなり、戸籍も婚姻も変わりました。
昭和22年までは、「家」の氏を称することとなっていたと思いますが、
昭和22年以降は、婚姻するふたりの氏のうちのどちらかを選んで称するように変わりました。
つまり今現在の婚姻において、婿入りも嫁入りもないということになるかと思います。
2.離婚
離婚すると婚姻前の氏に戻るので、婚姻前からふたりが同じ姓だった場合を除き、
改姓することになります。
ただ、離婚しても、離婚から3ヶ月以内に「婚氏続称」制度を利用すれば、
婚姻中の氏を引き続き使うことができます。
手続上、一度婚姻前の氏に戻ってから、もう一度婚姻中の氏に変更、となるはずです。
(手続について詳しくは調べてみてください。)
婚氏続称制度は昭和51年民法改正で実現しました。
3.親の離婚
親が離婚をしても、子の氏は自動では変わりません。
離婚時に改姓する親と同じ氏を名乗りたい場合などは、手続をすれば、
離婚して婚姻前の氏に戻るほうの親と同じ氏にすることができます。
その時点で自身(子)が15歳以上か15歳未満か、にもよると思います。
今までの氏のままにするか、改姓する親と同じ氏になる手続をするか、選択肢があります。
(民法や手続について詳しく知りたい場合は是非調べてみてください。)
4.親の婚姻
婚姻していない状態だった親が婚姻することで改姓しても、子の氏は自動的には変わりません。
親が除籍された戸籍謄本に、子だけが残ることができます。
親の婚姻相手と同じ戸籍に自分も入る手続きをした場合や、親の婚姻相手と養子縁組する場合は、
親の婚姻相手と同じ氏にすることができます。
5.養子縁組
自分自身が実親以外の誰かと養子縁組をする場合、基本的には、養親の氏になります。
養子縁組した時点ですでに自分が婚姻しており、自分が戸籍筆頭者でない場合、
氏は戸籍筆頭者の氏のままとなり、改姓しません。
養子縁組した時点ですでに自分が婚姻しており、自分が戸籍筆頭者の場合、
配偶者ともども養親の氏になります。
ただ、養子縁組前の氏のままにしたい場合は、そのようにできる方法があります。
たとえば、家庭裁判所で氏の変更許可申立てを行い許可を得た場合、
養子縁組をして養親の氏に変わった後で、養子縁組前の氏に戻ることができます。
そのため、養子縁組をした子であっても、実質改姓しないままの人もいます。
6.養子縁組の離縁
養子縁組して改姓した人が、養子縁組を離縁した場合、養子縁組前の氏に戻ります。
一定条件を満たしている場合、養子縁組しているときの氏を続称することも選べます。
縁氏続称というそうです。
7.帰化
生まれたときに日本国籍ではない人が、帰化して日本国籍になった場合、
生まれたときの名前と帰化したあとの名前が違うことがあります。
また、外国人だったときは、通称名を使うことができ、通称名を変更したことがある人も中にはいます。
その場合、帰化前に別のお名前があったことになると思われます。
なぜ旧姓をお尋ねするのか
かつて年金記録問題があり、それはまだ終わり切っておらず、今もいわゆる「手番」があります。
過去に今と違うお名前で年金に加入されていた場合に、その記録を確認するため、
という目的で旧姓をお聞きしていると私は認識しています。
そのため、過去の記録に未納や未加入がない人の場合は、「旧姓」を確認する必要はそんなにないのかもしれないなと感じます。
以下、私見
ここまで見てきてわかると思いますが、以前の氏を使い続けることを選べないのは、
婚姻前の氏をそのまま使い続けること、つまり婚前氏続称のみです。
養子縁組前の氏の続称、縁氏続称、婚氏続称はどれも可能です。
なぜ未だに婚前氏続称だけが存在しないのか、私にはわかりません。
早く婚前氏続称の選択肢が生まれればいいのに、と願ってやみません。